謎解きを作る。を考える。

きっかけ

11月上旬、私の「ポテトを山盛り食べたよ」というアホみたいな内容に対して友人から「そろそろ謎解きにいきたい」という無関係すぎる反応があった。
その友人はカップルで私ほか複数呼んで企画してリアル脱出ゲーム等で一緒することが多く
コロナ禍で友人関係が断絶されたなかオンライン飲み会であったりオンラインボドゲなので非常に世話になった思いがある。
そんな友人がプロポーズ成功したというおめでたい話題もあり、そのまま一緒に暮らされてる家を謎解き会場にしてしまおうと思ったのがきっかけとなる。ちょうどクリスマスパーティの企画に友人に招待頂いたのでそこの時間をお借りすることにした。

謎解き勢でなくても作家の構成力ではこういう謎の段組みも可能なのだ。
https://youtu.be/TpsDYEPRG90?si=wj47Un3bT1IAPrMN

FF14でも謎解きハウスなどがいくつかお邪魔してクオリティの高さに驚きつつ
https://togetter.com/li/2032675

プロの謎解き作家でなくともエンジョイする仕組みはやれないはずはない・・!

さてどうするか

とはいえ、正直ちょっとしたなぞなぞくらいはあるけれど
しっかりした構成のリアル脱出ゲームのようなものは当然作ったことはない。

「まあ一つ一つの謎を用意してうまくくっつければいいんだろ」みたいなことを考えて、
まずはリアル脱出ゲームでおなじみスクラップ発行の謎図鑑を入手してみた。
くわえて、家の構造やよりその二人と仲の良い後輩と飲みに行って所信表明をして逃げられなくするためにも下旬には後輩に会いに行ってきた。

最初の壁

後輩からは家の構造がこうなってるし、ここにモノを隠せるのではなどいくつかヒントを得ることができたが、問題は謎である。
正直スクラップ発行の謎本はぬるいの一言であった。
あなたたちもっと普段えぐい謎を押し付けてきますやん。
そう思った。まあ「時計」とか「漢字」とか章立てしてロジックを解説しやすいように作るとある程度しょうがないように思える。つまりはほとんど本を読んで謎を作るには本側の実力不足を感じた。友人カップルは正直頭の回転が速いのでぬるくはしたくないなと強く思った。
そんなこんなでハードルを自ら上げてしまった謎は結局最後まで作り続けることになるが、リアル脱出ゲームではその建物内に散らばった複数のアイテムなどを駆使して謎を解くみたいなことが醍醐味だったりするので、
普段あまり寄らない100円ショップに数週間前からは頻繁に寄ってヒント探しに没頭した。

次の壁

次の問題は構成である。
これはおおむねリアル脱出ゲームで体験した大きな構成を生かそうとした。
- 最初はライトな紙一枚あれば作れる単発謎時
- 次は施設内のしかけを使った謎
- 最後はこれまでの伏線を回収する難しい謎

ここまで思ったのはいいが、それぞれ最初の壁でなんとか作った謎をどう配置していくか、
そしてそれらにどういう因果関係(伏線)を持たせるか?
みたいなことには同様最後まで考えることになった。

壁の解消

こういった問題に対して手持ちのスキルやモノがいくつか役立った。

パク、いや、引用する

これが一番早い。上のきしたかのの動画から一つだけ謎は拝借した。

得意技を使う。

  • 普段プログラムのでさくっと入力フォームに文字を打ち込めば答えが返ってくるしかけを作るのはそこまで難しくなかった。

  • 動画編集も結婚祝いやら仕事のプレゼンやFFイベントとかで多少ノウハウがあったので 導入の「いかにもデスゲームっぽい入口」を作ることができた。

家にあるもので考える。

期間限定の声につられ、多すぎないものの多少の家に謎に使えそうなグッズがあった。FFグッズ、ポケモンコダックのおもちゃ、マリオのペン立て、遊戯王カード、ボードゲームなどなど。
それらを時間をかけてながめて「電池蓋の裏に何か隠せないか・その導入を作れないか」「この形状を生かして謎を作れないか」という考えるきっかけとしておおいに貢献できた。

100円ショップでうろつく。

マスキングテープ、ブラックライトをあてると光るペンや、宝箱風のもの、数字を入れる鍵などある程度のものが揃えられた。

有休を使う。

とはいえ、どうしても、時間が足りなかった。
ぼーっとする時間がとにかく必要だった。 土日はサボって謎作りから逃げたりしてたらあっという間に12月になり時間はとうになくなっていた。
平日は仕事帰りということもあり、じっくり考えるには不十分だった。
そこで平日一日有休をとってしまうことで、「ここで仕事休んでまで謎作り進まなかったら全く意味のない有休になるぞ」というプレッシャーを自分にかけつつノイズの入りにくい平日昼~夜という時間を存分に活かし、謎解きに取り組んだ。結果これは大正解の判断でいけそうという感覚をつかめた。

取材する

これは殆ど構成ができあがってから挑んだ。なぜならなんもたたき台やオファーが具体性がないのに聞いてもやりとりが無駄になってしまうため
ほとんど決めてから挑むことにした。
最後は他に参加する共通の友人に電話やLINE、オンライン会議などでインタビューやレビューを行った。
正直謎の難易度も聞ければよかったが、正直時間的な余裕はなかった。
ねらいは一つ、フレーバー要素として簡単なものでも、その友人カップルの片方しか作れない謎をいくつか用意したかった。
用語が用意できればクロスワードを作ったりなんでも使いようはある。
たとえば化粧品や学生時代のエピソード等を聞いて回ったり、SNSをあさったりした。
正直謎解きギミックで名前を何度も書いてたしストーカーではないかというレベルであった。

構成のしあげ

だいぶ謎が固まってきて最初の謎解きの間にうまく誘導してどこかに連れていく役を後輩に頼んでその間に第二段の謎を家に置き始める、という取り組みで構成は完成。
伏線回収に関しても問題文に違和感のある伏線をうまく張り巡らせることに成功した。
一番苦心した全体の構成に関しても、多少難しくならないよう
第一フェーズ最初3問解く→鍵がとける→鍵といたら
第二フェーズで家にあるものから数問解く
そのうちの一問がサイトのアクセスにつながり決定的なヒントを与える。
決定的なヒントから伏線の謎を思い立ち最後の謎につながる。という簡単なものに作り上げることができた。

いざ当日

当日を迎え、会を楽しみながら機会をうかがって謎解き実行の動画を流した。
いざ始まってしまえば割とイメージしてた通りことは進んだ。
多少難しく作ってしまったのと時間に余裕がなくなったのもあり
色々ヒントを付けたしながらではあったが無事終えられた。
簡単より難しく作ったのは今考えると「こうまでして考えたので簡単にサクサク終わるとなんかクヤシイ」という主観もあったように思う。

おわりに

最後色々な伏線を解きながら花を差し出すポーズを決めるとクリアという後付けで思いついたロマンティックな演出も浮かんだときや、アイデアを詰め込んで一個のイベントへの算段がたったときは自分はなかなか最初にしては大量のアイデアを煮込んで一つの料理を完成させる実力あるなと思う満足のいくものであった。
仕事がら新しいものを考えなければいけない使命のためある程度訓練されたものであるのかもしれない。
ただし、友人への感謝がここまで駆り立てたので基本はリターンがなければやりたくないな~笑と思うほどには体力と知識を使うことがわかった。この発想力を仕事で金・地位・名誉に変えていきたい。

備考

友人の個人名が入ってるドキュメントがいくつかあるため共有する場合は、こちらでそのへんをぼかしたり、不足分は埋めてもらう必要がありますが、私の知り合いで謎解きを作ってみたい人などがいたら気軽にご相談ください。